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ナニメン 吉井雅之の日記

習慣形成と出逢って・芦田衞様

習慣形成「掃除編」   株式会社芦田 芦田 衞

「強靭なお役に立つ強い組織を創りたい」
会社と言うか組織とは言い難い状態の集団だったころ、何としても、お客様から頼られる「お役に立つ組織」を創りたい、
しかし、何をどうやったら、自分達で考えて動けるようになるのか?

当時は、そんな思いで、朝礼も始めていた頃、
同時に社員で会社を大切に綺麗にする心を養おうと、
一斉清掃の時間を設け、10分間だけ、集中して会社を磨こうと掃除時間を設けて開始居ていたが、これが、全然上手く行かない。

「お前らちゃんとする事しろ!」
と、怒鳴ったところで、その場は強制的に出来ても、自らの行動で掃除が根付く事が無かった。そんな少々諦めムードが自分の中に漂いかけてた頃、
ある時、倫理法人会のベテラン経営者より、1本のカセットテープが送られてきた。
ココから、僕のトイレ掃除が始まり、会社全体掃除が始まった。

そう、まだ当時はカセットテープが、手軽な媒体として主流だった頃が、事の始まりだ!
そのテープには、ある経営者の講話が録音されていた。
内容はトイレ掃除を教育のツールとして、社員教育と経営者の自己革新の実践を主とする内容であった。
「トイレ掃除のお陰で、会社の業績が良くなった。」
「トイレ掃除のお陰で、社員の定着率が良くなった。」
「集団がチームとして成長出来た!」
講話者は、講演の中で、執拗に実行、実践の重要さと効果を訴求していた。

「ホンマかいな?」と思いつつも、何となく気を惹かれる内容・・・
そして、僕がモチベートされた内容はこうだ
「いい話を聴かせて頂きました。」とか、
「参考になりました。」とお礼の言葉に沿えて、
この様な言葉を言ってくれる人は、沢山居ますが、
「今日から、明日からやります。」「実行、実践します。」と言う人は、殆どいない、
「いい話を聴いても、やらなければ、何も変わりません。この時間を無駄にするだけです。

どうですか?貴方は出来ますか? 実践して、自分を変える事は出来ますか?」
このテープからの問いかけが、僕に、僕が試されているのか?みたいに聞こえた瞬間、車内のコンポに「出来るわ!」って、叫んでいた。

ここから、毎朝の会社のトイレ掃除が始まった。
とにかく、初日は、朝6時に会社に着き、今まで社員に任せっぱなしだった、トイレ掃除をしようとトイレの前に立って、暫く何をどうしていいのか、無言の試案が続く、辺りを見回し、ようやく、掃除道具と洗剤を見つけ、たどたどしい手つきで掃除を始める。

便器に水を掛けて、タワシで擦る。
テープの講話者は、素手で大便器も小便器も擦って洗うと豪語していた事を思い出し、やろうと試みるが、大きな躊躇いが邪魔をする。

先ずは、掃除に慣れよう。そんな言葉で、すんなり自分を納得させ、最初の掃除は約1時間くらいだったと思う、思った以上に時間が掛かった。
とりあえず、1週間で、掃除の段取りとリズムを掴んで、もう少し時間を短縮できないか等、考えてみよう。
この時点で1週間の実践を自分に決める。

早朝から、会社のトイレ掃除を実践する事を妻に告げ、これから1週間、早朝出勤する事の説明をし、心配は不要だと安心させようとした時、
妻から「良い早起き習慣が身に着くね!」と言われ、この時初めて「習慣」という事を意識した。

毎日、毎朝、順調に目覚ましで起きる事が出来、自分が決めた出勤時間に遅刻することなく、1週間を迎える頃には、トイレ掃除の段取りも良くなり、大幅に時間を短縮する事も出来た。

短縮された分、トイレの別の部分にも目が行き、その時間を使って今度は、トイレのドアを磨き始めた、これも、はじめて見ると、結構、手垢などで汚れていて、別のスポンジタワシで磨くと、トイレのドアがドンドン白くなり、掃除が楽しくなり掛けていた。
そして、1週間が経ち、何となく掃除に欲が出始め、先ずは今期いっぱいまで、やってみよう!

ちょうど、期首近くから始めた掃除、今期いっぱいとなると1年間、毎朝、やってみるかと、そのままの勢いで、約1年間の毎朝のトイレ掃除を密かに決めた。
そこから、約1カ月、日曜日以外は、毎日、会社のトイレ掃除を実践する事が出来て、何となく、自分で自分の実践を納得できるようになっていた頃、少々気の緩みが入り、前日のお酒が過ぎ、いつも起きる時間を大きく寝過ごして気づいた時には、遅刻にはならないものの、掃除をする時間が無い。
この時初めて「毎朝」と言う自分との細やかな約束が破られた。

何の為に今まで休まず、毎朝、気合を入れて起きて、やってきたんや!

今までの連続記録が途切れたと言う喪失感から、当初から持ち続けてきた緊張の糸が切れ、
なんと、翌朝には、「もう、途切れてんから、ええやん!」と言うもう一人の内語が聞こえた。「まっいいか!別に誰かと約束した訳じゃないし!」

なんとも上手く自分を納得させる言葉が浮かんでくる。そして、そこから、たしか3日くらい、「まっついいか」を繰り返し、掃除をさぼる。

そんな自分を見て妻が「勿体ない!折角、会社が綺麗になって、みんな喜んでたんとちゃうの?」その言葉を聴いて、「そうか!社員達が喜んでくれたんか!」ここで、心を入れ替え、再度スイッチON!

翌日から、再スタート!

そして、再スタートから、約1年が過ぎようとしていた頃、会社の一斉清掃が大きく変わっていた。
一斉清掃と言っても、する者が居れば、要領をかまして、掃除を胡麻化してやらない者もいた一斉清掃だったが、一人一人が、しっかりと掃除をし始め、たった10分間だけだが、集中して、全員で掃除が出来る組織に生まれ変わっていた。

この時、社員は、見てないふりをして、僕の行動をしっかりと監視していたんだと気づいた。
そして、彼らは、その内、飽きて止めるやろうと、好奇の目で観察していた。
それが、飽きて止めるどころか、1年以上も毎日毎朝、トイレ掃除を続けている。

実は、この間、僕は一言も、社員達に「お前らもやれ!」等とは一言も言わなかった。
それは、自分で決めた自分を変える実践だったからである。

そんな僕のトイレ掃除の習慣は、ある社員に「今日から僕も実践します」と奪われ、トイレを奪われた僕は、なんとも言えない嬉しさと寂しさに襲われたのを今でも覚えている。

そして、習慣となっていたトイレ掃除を手放した僕は、会社全体に場所を替え、そのまま、15年、今では、会社全体の掃除を社員全員で、毎日10分間集中してやれるチームに育った。

「自分を変える:自己改革」を目的に始めた毎朝のトイレ掃除が、やがて習慣になり、その習慣が、社員の気持ちを一つにして、チーム作りの大きな要素となっていた。
あの連続記録が途切れ、自分の緊張も途切れ「まっいいか!」のまま、放置していたら、今の組織に成長出来ていたかどうかと考えると、諦めずにやり続けて来て良かったとつくづく思う。

今では、トイレ掃除も、社員全員で、順番で交代して、毎日ピカピカに磨かれています。

そして、言うまでもなく、この一斉清掃は、今や社員全員の習慣になり、掃除の合図とともに、持ち場に向かいテキパキと掃除し、チームとして掃除に取り組む事が出来ている。

そして、目指して来た「お役に立つ強靭な組織」として、
今や仕事面でも、どんどん機能し始めている。
恐るべし継続力、恐るべし習慣力。

“習慣形成と出逢って・芦田衞様” への2件のフィードバック

  1. 白石千雅 より:

    芦田衛さんの名前をメルマガのタイトルに見て、読ませて頂きました。
    芦田さんは大病を見事克服されました。
    神さまが応援したくなるだけ、ひたむきに努力されてきたからこそですね。何度か講話を聴かせて頂いて、経営理念、事業計画作成、朝礼のことは教えて頂いてましたが、お掃除の話は初めて知りました。
    実践を習慣にしていくための力を頂きました。
    ありがとうございます。

    • 吉井雅之 より:

      白石さん
      コメントありがとうございます

      はい、芦田社長は、一つ一つ習慣を増やしていかれていますよ
      自分磨き・・・一生ですね

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